店主日誌
2007年
10月

10/25(木)

  11月3日から始まる歳末謝恩セールの準備を着々と進めている。すでにお客様方にセールのハガキでお知らせしたが、ホームページでも今日、告知した。決して楽な状況ではないが、だからこそ身を惜しまずひたすら努力するのみ。

10/24(水)

 夕方、学校帰りの、多分小学生の男の子が店の前を通り過ぎる時、「あれ、今日は三味線の音が聞こえないねエ。」という友達に話す声が窓越しに聞こえた。急いで外に飛び出て、外のスピーカー音を聞くと確かに何の音も出ていない。店内は聞こえるが外の音の設定が間違っていたことに気が付いてすぐに直した。

 お年寄りの方が、同じように、「あれ、今日は三味線の音が聞こえないねエ。」と言ったとしてもそんなに慌てて飛び出したりしなかったろう。子供が、毎日通る道に三味線の音が当たり前に聞こえると言うことは大変なことなんだと思う。増して今時の子供の日常生活の中に・・・。ちょっと感動! 昔、子供の頃、夜遅くまで路地裏で遊んでいて、近くの家の軒下からラジオの、例えば『素人浪曲天狗道場』の放送が聞こえてきて、「よーっ、ぺぺん、♪旅イ〜、ゆけ〜ば〜ァ〜〜」なんて生中継で歌う声にあわせて、何人もの遊び仲間とベーゴマをやりながら、みんなで当たり前に「旅イ〜、ゆけ〜ば〜ァ〜〜」と一緒に唸っていたあの“当たり前さ”にそっくりだ。

 路地裏に三味線の音が聞こえなくなってもうどのくらいたつだろう?なんて記事をどこかで読んだことがある。この都電通りの、この軒下では毎日聞こえるんだゼ。三味線の音が聞きたくなったら一度来てごらん、この軒下に。

10/20(土)

 18日から国技館で日本民謡協会主催、同じく19日から武道館で日本民謡協会主催、恒例の全国大会が21日まで有り、三味線かとうは二手に分かれて出店している。いつもこの時期は雨に見舞われることが多いが今年は幸い晴天に恵まれている。

10/9(水)

 DVDで『愛の嵐』を20数年ぶりで見た。一言で言えば、ナチズムに翻弄される男女の愛の物語。主演はダーク・ボガードとシャルロット・ランプリング。ジャン・コクトーの『オルフェ』、近松の『曽根崎心中』を思い起こさせるたまらない無常観。

10/8(月)

 昨日、今日と連休だ。特に何をするということもなく、ただ体を休めることの有難さを感じつつひたすら脱力。自転車でぶらぶらと荒川土手を上流に行くと岩淵水門がある。

 昔、荒川の本流である隅田川が洪水で度々氾濫したため、大正年間に大がかりな治水工事が行われ、隅田川の水をここで堰き止めて荒川放水路を作り隅田川と二手に分けて放水した。 

 その水門の周りは、土手の公園になっていてデイキャンプというのか、バーベキューなどを楽しむ家族連れや大人数のグループが歌なんか歌って楽しんでいる。そんな様子を遠くから見下ろして、土手の中腹で寝転がり脱力。よく晴れた青い空、飛んでゆく白い雲を目で追いながら、やがて目をつむる。