タイトル  翔ぶShamisen 国本武春バンド

日時    1990年7月27日(金) 日暮里サニーホール、開演7:00pm

出演      国本武春(三味線、ボーカル)、岩崎節子(曲師)、松浦基悦〈キーボード〉、名取豊広(ギター)

プログラム  一部 武春の浪花節からエレキ三味線へ 
                  
                     二部 国本武春バンドライブ
           1.ロックンロール福助
           2.富士山‘88
           3.敬老ロックンロール
             4.ロックンロール浦島
           5.Georgia on my mind
           6.偉人伝にのみや
           7.ロックンロール義理人情〜次郎長伝

主催       三味線かとう


 『エレキ三味線』出現!! 


                                           国本武春   

 浪曲は大衆芸能である。決して古典芸能でもない。その時代その時代に合った演者が、その時代に合ったテーマを、その時代に合った節で語る。 他の芸能・音楽とて同じ事で、今でこそ古典だとか名作だとか言われている作品の全んどが、出来た当時は新作であり、その時代をとらえた タイムリーな物であったに違いない。もちろん、そうした古典や名作を明日に学び伝えて行く事である。しかしその一方で、 今をとらえた新しい物の出現がなくて良いのだろうか? 新しいメロディー、新しいテーマ、新しい音が生まれて来なくて良いもの だろうか?‥‥‥これが、大衆芸能である浪曲の世界に身を置く私の疑問であり、明日へのテーマでもある。
 そうした時、芸のスタイル、声、節、語り、内容の他にもうひとつ大切な要素となるのが三味線である。浪曲になくてはならない、 または日本の音楽になくてはならない三味線が、今までと同じで新しい物が生まれるのだろうか? 言いかえれば、新しい三味線の出現で 新しいジャンルの音楽を、あるいは新しいジャンルの語り物を生みだせるのではないか。 今までと全く違った指使い、今までと全く違った メロディーを、今までと違った音、今までと違った三味線で表現する事により、今までになかった日本の音楽、文化が生まれるのではないか ‥‥‥
 そんな想いから私は“三味線ロック”を作りあげ、そんな私の前に、今、かけがえのないパートナーが出現した。“エレキ三味線” である。
 このパートナーの可能性は、今、無限に広がっている。

【1990年7月27日 翔ぶShamisenコンサートちらしの裏書き】より